キヤノン広角レンズEF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMとEF-S10-22mm F3.5-4.5 USMを比較してみた
先日、私が以前使用していた「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」を紹介しました。
関連記事 :EF-S10-22mm F3.5-4.5 USMはEOS Kissシリーズにピッタリな超広角ズームレンズ
一方で、同じEF-S広角ズームレンズとして「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」も気になるところです。
どちらもコンパクトだし、良い写りをしますもんね。
キヤノンAPS-C広角レンズの購入候補としては、この2レンズで迷うケースが多いかもしれません。
私も今KissなどのAPS-Cカメラを持っていたら、絶対迷います。
たぶん、1日中ヨドバシカメラのレンズコーナをウロウロしているはずです(笑)
まぁそれはそれで楽しいのですが、サクッと決めたいのに悩んでしまう・・・という方も多いかと思います。
そこで、今回はこの両レンズを比較検討することで、購入前の検討ポイントを整理していきます。
そして、整理した検討ポイントを元に、ぜひご自身が重要視するポイントを再考してみてください。
どちらのレンズが「正」でどちらのレンズが「誤」ということはありません。
あるのは「どちらのレンズが自分にとって適しているか」です。
1.スペック比較
2.検討ポイントその1:ズーム域(望遠側)で決める
3.検討ポイントその2:開放F値で決める
4.検討ポイントその3:手振れ補正機能で決める
5.検討ポイントその4:最短撮影距離で決める
6.検討ポイントその5:重量で決める
7.検討ポイントその6:価格で決める
8.まとめ
1.スペック比較
では早速、両レンズの主なスペックを比較してみましょう。
下記表のオレンジ文字の箇所は、その項目に対してアドバンテージがあることを表しています。
EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM | EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM | |
---|---|---|
レンズ構成 | 10群13枚 | 11群14枚 |
絞り羽根枚数 | 6枚 | 7枚 |
広角端 | 10mm(35mm換算16mm) | 10mm(35mm換算16mm) |
望遠端 | 22mm(35mm換算35.2mm) | 18mm(35mm換算28.8mm) |
開放F値 | 広角側F3.5、望遠側F4.5 | 広角側F4.5、望遠側F5.6 |
手振れ補正機能 | 無し | 有り |
最短撮影距離 | 24cm | 22cm |
重量 | 385g | 240g |
対応撮影素子 | APS-C | APS-C |
希望小売価格(税別) | 98,000円 | 46,000円 |
この表を見ると、望遠端・開放F値では「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方にアドバンテージがあり、手振れ補正機能・最短撮影距離・重量・価格では「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の方にアドバンテージがありますね。
では、それぞれの項目について、もう少し詳しく検討していくことにします。
2.検討ポイントその1:ズーム域(望遠側)で決める
1つ目の検討ポイントはズーム域を重視するかどうか。
この場合は、「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方にアドバンテージがありますね。
35mm換算的にいうと、「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の画角が16-35mm。
「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の画角が16-29mmということになります。
「広角レンズだけど、できれば街スナップしやすい35mm画角くらいも使いたい!」という方は「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方が良いですが、「望遠側は特に気にしない。広角側でバシバシ風景撮りがしたいんだ!」という方は、どちらのレンズでも問題ないということになります。
ということで、主に山や川、海などの遠景メインで撮りたい方は望遠側のアドバンテージはほぼ関係ないことになります。
一方、街スナップなどの標準域に近い写真もたくさん撮りたいという方は、望遠側のアドバンテージは大きいですね。
(街スナップを広角側で撮るのも斬新で良いかもしれませんがw)
3.検討ポイントその2:開放F値で決める
2点目は「開放F値」。
この場合も、スペック上は「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方にアドバンテージがありますね。
同じ画角で撮る場合、F値が小さいレンズの方がボケのある写真を撮ることができます。
従って、ボケのある写真を撮りたいなら「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」に決めた方がよいということになります。
ただし、風景撮りメインで考えている方は「ボケのある写真よりクッキリした写真」を撮りたいはず。
そうすると、F8以降の値で撮ることが多いのであまり開放F値を気にする必要はないですね。
また、「広角レンズで接写」する撮影も広角レンズの醍醐味の1つです。
被写体が強調されて映し出されるので、印象的な写真を撮ることができます。
こういう写真を多く撮りたい方は、開放F値の小さい「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方が「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」より、同じ画角に対するボケ量が大きくできます。
4.検討ポイントその3:手振れ補正機能で決める
3つ目の検討ポイントは「手振れ補正機能」。
これは「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」にアドバンテージありです。
ここでおさらいですが、一般的に手ぶれしないで撮影するためのシャッター速度は「1/焦点距離」以下と言われます。
例えば、焦点距離10mmで手ぶれしないシャッター速度は1/10以下ということになります。
ここで大切なのは「本当に手振れ補正機能が必要か」どうか。
もし、日中の屋外で撮影することがメインであれば手振れ補正機能なんか必要ないでしょう。
逆に、屋内撮影や夜間の手持ち撮影をメインで撮りたい方は、手振れ補正機能があった方が便利だといえます。
5.検討ポイントその4:最短撮影距離で決める
4点目は最短撮影距離。
これも「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」にアドバンテージありです。
これは「どれだけ被写体に寄って撮れるか」という指標になるので、ギリギリまで寄って撮りたい方は「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の方が良いですね。
ただ、望遠側で「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の方にアドバンテージがあるため、接写+望遠端で撮るとすると正直どちらで撮ってもそんなに変わらないかな、と思っています。
6.検討ポイントその5:重量で決める
5点目は重量。
これも「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」にアドバンテージありです。
とにかくコンパクトで軽いことを重視するのであれば、「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」。
「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」より大きいが、ボディとのバランスなどを重視するのであれば(人それぞれですが)「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」という選択肢もありますね。
7.検討ポイントその6:価格で決める
最後は価格。
これは言わずもがな「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の方が安価です。
純正レンズとしては抜群に手が出しやすい価格帯です。
一方、「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」は「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の倍近い値段ですね。。
なので、開放F値や望遠端などの「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」としてのアドバンテージにその差額分の価値を見出せるか、が購入の重要ポイントと言えます。
8.まとめ
長くなってしまいましたが、「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」と「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」の比較検討をしてきました。
それでも決めきれない・・・という方には「エイやっ」的になってしまいますが、下記のような観点で考えるのもアリかと思います。
→安価な「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」にし、フルサイズ購入資金への負担を減らす
・ずっとAPS-Cを使い続ける
→開放F値、望遠端の面で優れた「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」にし、汎用的に活躍してもらう
先にも書きましたが大事なのは「どちらのレンズが自分にとって適しているか」です。
ぜひ、後悔のないように(楽しみながら)悩み検討してみてください!
あぁ・・・私は悩む以前に購入資金が足りないので、こういうことで悩める方がうらやましいです(涙)
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