ビアグラスの違いでビールは変わる!シュピゲラウのセミナーでグラスの違いがビールに大きな影響を与えることに驚愕した
ビールを飲む時、どんなグラスで飲んでますか?
私の場合は居酒屋でしかビールを飲むことがなかったので、ビールを飲む時に思い浮かぶグラスと言えば「ジョッキ」あるいは「小グラス」くらい。
そんな私でしたが、最近ベルギービールにハマったことをきっかけに、ビールの銘柄ごとにグラスが存在することを知りました。最初は単なるビールのブランディングなのかなーと思っていましたが、実はそれだけではなく、そのビールの個性を生かす形にもなっているとのこと。
極端な話、紙コップで飲むビールとグラスで飲むビールとでは(見た目の雰囲気含めて)香りや味が違うのは何となく分かる気がします。そして、「ビアグラス」というカテゴリの中でも、材質や形状によってビールの印象は随分と変わるようです。
「せっかくのご褒美ビール!どうせなら一番美味しく飲めるグラスで飲みたい!」
こういう思いから、今回は「ビアグラス」の違いでどのようにビールの印象が変わるのかを体験できるセミナーに参加してきました。
1.シュピゲラウのテイスティングセミナーとは
2.一般的なグラスとシュピゲラウのビアグラスの違い
3.シュピゲラウの異なるビアグラスで飲み口を比較
4.まとめ
1.シュピゲラウのテイスティングセミナーとは
今回私が参加したのは、リーデルが主催する「シュピゲラウのクラフトビール・テイスティングセミナー」。
ワイングラスで有名なリーデルの系列で、ビアグラスを積極的に開発しているシュピゲラウのグラスを使ってビールのテイスティングを体験できるセミナーです。
参考 :シュピゲラウとは
2016年11月時点で、このセミナーはリーデル青山本店とリーデル大阪店で週一ペースで開催されています。(私が参加したのはビアグラスを使ったビールのティスティング・セミナーですが、ワイングラスを使ったワインのテイスティング・セミナーもあるようです)
参加費用は税込で5,400円ですが、セミナー受講後に受講時に使ったものと同じ新品のビアグラス3点セット(5,400円相当)をお持ち帰りできます。
セミナーでは実際に3種類のビールを飲みながら進行しますが、全部飲み干す必要はなくテイスティングしたら残りのビールはバケツに流すのでお酒に強くない方でも安心して参加できます。
2.一般的なグラスとシュピゲラウのビアグラスの違い
セミナーではこのように一般的なグラス(一番左)と、シュピゲラウのグラスが席に置かれています。このグラスを使ってテイスティングを体験していきます。
一般的なグラスとシュピゲラウのグラスの違いはパッと見で形状くらいしか気づきませんが、よく見ると飲み口の厚さが違うことが分かります。一般的なグラスの方が分厚いです。
実際にビールを飲むと分かりますが、シュピゲラウのように薄いグラスの方が口に余計なものが当たっているという感じがしないのでビールのみに集中できますね。
グラスが違うと香り方が変わる!
テイスティング・セミナーで一番驚いたのは実は味わい以上に、これだったりします(笑)
グラスが違うとビールの香りがずいぶんと変わります。一番顕著だったのが、ヒューガルデン・ホワイトをグラスに入れて比較した時。
ヒューガルデン・ホワイトと言えば白ビールの代表とも言える有名なベルギビールですが、その特徴はフルーティーで甘い華やかな香り。
「一般的なグラス」と「シュピゲラウグラス(アメリカン・ウィート・ビール/ヴィットビアグラス)」で、その香り方を比較すると差は歴然。
前者はぼんやり香る(香りが弱い)のに対して、後者は自然にスッと香りが鼻に入ってくるのが分かります。香りの強さも後者の方が、フルーティで甘い香りがハッキリと感じ取ることができます。
このようになる理由は、一般的なグラスに以下のような原因があるそうです。
- 一般的なグラスは口が外に広がっているので、香りが拡散してしまう
- 一般的なグラスはグラスの内側に見えない傷や凹凸があるため、泡がすぐに消えてしまい香りをグラス内に保持できない
このあたりは講師の方が分かりやすく教えてくれるので、とても勉強になりますね。
この他、IPAや黒ビール(ポーター)でも「一般的なグラス」とそれぞれの「シュピゲラウグラス」で比較してみましたが、やはり一般的なグラスはどれも香りが散漫に感じました。
基本、私は一般的なグラスでそれぞれのビールを飲んでいたので、この差は結構ショックでした。まさか自分の使っているグラスが、ビールの香りを大きく損なっていたとは・・・
グラスが違うと味わい方が変わる!
じゃあ肝心な味はどうなのよ?ということで、一般的なグラスとシュピゲラウグラスで飲み比べてみました。
共通して言えるのは、一般的なビールで飲むと、液体が始めに下の先端に当たるということ。そして、口の中全体に液体が広がるのでアルコール感と苦味が強調され、いつまでも苦味が口に残るような飲み口になるというのが印象的でした。(というか、それがビールと思っていましたが・・・)
一方でシュピゲラウのグラスで飲むと、液体が始めに舌の真ん中あたりに当たります。そして口の中で直線的に流れ込んでいく感じ。
そのような違いからか、シュピゲラウグラスで飲んだ方が、先にフルーティさやコクを感じて、その後でじんわりと苦味がくる印象でした。(アルコール感はそこまで感じない)
また、グラスの縁の厚さも違うので、シュピゲラウグラスの方がスッキリ飲めますね。
まぁ、一言でまとめてしまうと「シュピゲラウのグラスで飲んだ方が、ビールが旨かった!」ということです(笑)
この点については、飲み比べをしたら大抵の人がそう感じるんじゃないかと思います。
3.シュピゲラウの異なるビアグラスで飲み口を比較
これまでは一般的なグラスとシュピゲラウグラスの違いをメインに書いてきましたが、じゃあシュピゲラウグラス同士の違いはどうなのよ?という点についてもセミナーで体験できました。
詳しくはここでは書きませんが、ざっくり書くと今回のセミナーで使ったシュピゲラウグラスは下記になります。
- インディア・ペール・エール(IPA)用グラス
- スタウト用グラス
- アメリカン・ウィート・ビール/ヴィットビア用グラス
ビールにはそれぞれ「スタイル」というものがあり、上記3種類のグラスはそのスタイルに合った形状をしたグラスになります。
で、「これらのシュピゲラウグラス同士で同じビールを飲み比べるとどうか?」という話ですが、セミナーでは飲みながら講師の方が解説してくれるのですが、私が味音痴のせいか、どちらに優劣があるかはよく分かりませんでした(笑)
グラス形状が違うことで香り方や味が変わってくるのは感じ取れるのですが、じゃあどちらのシュピゲラウグラスで飲むのが正解かは人それぞれなのかなーという気もしますね。
例えば、黒ビール(ポーター)を3種類のシュピゲラウグラスで飲み比べた時の私の感想は下記のとおり。
- インディア・ペール・エール(IPA)用グラスは、3種類の中で一番コクと苦味を強く感じた
- スタウト用グラスは、3種類の中でコクと苦味が中間的。もっともバランスが良いような気もする
- アメリカン・ウィート・ビール/ヴィットビア用グラスは、3種類の中で一番香りを強く感じれた。飲み口は3種類の中で一番薄い感じがした
あくまで主観なので、人によっては感想が変わってくるかもしれないですね。(実際、講師の方の説明と私の感想が異なるなーということもありました)
一般的なグラスとシュピゲラウグラスの差は明らかですが、シュピゲラウグラス間の優劣はなく、自分に合ったグラス形状を探すのも面白いかもしれません。
4.まとめ
今回は「ビールをさらに美味しく飲むために、シュピゲラウのセミナーに参加して体験したこと」を書きました。
まさか、グラスの違いがビールの印象にこれほどまで大きな影響を与えることにビックリしたというのが一番の感想です。今回のポイントとしては、大きく下記の3点だと言えます。
- 一般的なグラスとシュピゲラウグラスではビールの香りや味が大きく変わる
- シュピゲラウのグラスでの優劣はつけがたい(人それぞれ)
- 自分に合ったグラスを探すのも面白い
余談ですが、居酒屋で飲むような「生ビール中ジョッキで!」的なビールはどんなグラスで飲んでも良いような気がします。じっくり時間をかけて飲むものでもないですしね。
もし、ベルギービールやその他クラフトビールを家でも飲むような方は、香りや味を一層引き出すシュピゲラウのグラスがオススメです。(もちろん、シュピゲラウグラス以外にも自分に合ったグラスはあると思います)リーデル青山本店やリーデル大阪店がお近くにある方は、セミナーに参加するとより理解を深めることもできますよ。
それでは皆さんも良きビールライフを♪